梅雨が明けました。酷暑の中ですが、ジャガイモが心配で収穫に行って来ました。しかし、熱中症にかかる危険もあり全体の4分の1を掘った所で引き揚げて来ました。数量・重量ともに驚きの結果でした。
何故こんな事をするのでしょう?
結構熱い日に、家庭菜園にしてはやや広すぎる面積にわずかに2列だけ植えたポテトを育てて来ました。育てた、と言うよりは時々様子を見て草を取り除いただけです。
知人から、気温の話をした所「3時ごろ行けばいいでしょう!!」と言われました。朝の3時です。実は、杉並区の自宅から埼玉にあるこの菜園までは70kmあり、車で1時間程度かかります。無論、自宅は住宅地にありますので夜中にスポーツカーのエンジンをかけて騒音を出して出かけるのは憚かられます。従って、収穫期の暑さは未だに克服できない壁になっています。
ところで、土と向き合うこと自体はとても気持ちの良いものです。何よりも、一定期間が過ぎた後に土の中から財物がゴロゴロ出てくるのが不思議です。仕事の事も、日常の問題も全て忘れリフレッシュできます。もう一つ、これは遺伝子的満足感かも知れませんが、草に覆われた菜園から土が見える様になるとなぜか安心し達成感を感じます。何も理由はありません。ただ、そう思うだけです。そして、夏になるといつも心の中で自問自答しています。「なんでこんな暑い日に大変な思いをしなければいけないの??」と。
無農薬の事始め?
有機農法と異なり、私が勝手に考えている「無農薬栽培」はただ単に「農薬を使わない」だけです。従って、肥料は有機肥料の他に化学肥料もすこし使っています。まあ、農薬を使うお隣さんとは、規定の距離を取ったエリアだけを耕作しています。これを、20年以上続けています。
きっかけは、ラブラドール・レトリバーの子犬を飼い始めた事に関係します。もともと、あまり真面目に耕作していなかった土地でしたが愛犬を思い切り走らせてやりたいと思いました。それには、足に傷を負わない様尖った小枝や石は除去しなければいけませんが、最も大事な事は犬にダニがつかない様にすることです。ただし、子犬は地面を嗅ぎまわるのが好きで草むらにどんどん分け入って行きます。そこで、この菜園には一切農薬を使わない事にしました。そして、様々な野菜も育ててみましたがほとんど失敗しました。農薬が必要な、デリケートな野菜が多いのです。この点、ジャガイモは一番育てやすいものでした。また、土壌の性質との関係で男爵や北あかりやインカの目覚めなどはうまく行かず、メイクイーンだけがこの土地にマッチしている事を知りました。
体にいいの?
これを続けていたある日体調を崩しました。原因不明の蕁麻疹に罹りました。某医大の、皮膚科学会の会長を務める先生に診て頂く機会を得ましたが原因は特定できませんでした。結局1年弱、別の漢方薬局の薬剤師さんの所に通い指導を受けて何とか回復しました。その時得た教訓が、①ストレス管理、と②合成甘味料や食品の防腐剤などの化学成分に注意する、という事でした。最も病状の悪いときは、蕁麻疹で呼吸困難になり、食事も味のない白い食べ物以外は受け付けませんでした。野菜だけは、ほぼ何を食べても大丈夫でした。やがて少し良くなってからは、有機ワインは飲めるけれども普通のワインには蕁麻疹反応が出る時期もありました。そこで、ますます「自分で育て成分が解る野菜」を一定量自分の管理下に確保しようと思った次第でした。
もう来なくていいですよ
ある時、その漢方薬の薬剤師さんから「ここまで回復すれば、もう来て頂かなくて結構です。」と言われました。ただし、それからの生き方については幾つかの貴重なアドバイスを授けて下さいました。その忠告に従い、早めに会社も早期定年退職に応募し好きな事をして生きて行く方法を模索しはじめました。そして、最も重要だったのが暑い時は「すず風」を、寒い時は「木漏れ日」を浴びる事でした。これが、リラックスに重要でストレス管理に良いとの事でした。以後、この家庭菜園で少しヘビーな汗をかきリ定期的にフレッシュしていました。近くには、木立や川があり時々キジが散歩して菜園の前を横切って行きました。
収穫してからの楽しみ
収穫してからは大変です。掘り出す時に少し傷つけてしまったジャガイモが有ったら早く調理する。クーラーにあてて乾燥させる。大きいジャガイモから、早めに知人に配って食べてもらう。出荷の力仕事も大変。送り先も、ありがた迷惑にならないかリサーチしておく。。。など。
この忙しさも、一つのリフレッシュで楽しんでやれば良薬に勝るものです。何よりも、自分で植えて・自分で育てて・自分で収穫して・自分で好きな調理をして食べるという、この一気通貫の趣味がレア―で楽しいのです。