2025年の持続化補助金は、中小企業や個人事業主がビジネスの成長を加速させるための重要な機会です。この補助金を活用すれば、販路開拓や事業活性化のための資金を得る事が出来ます。しかし、申請プロセスは複雑ですので、重要なポイントを押さえることが成功の鍵となります。本記事では、中小企業や個人事業主とNPOの皆様を対象に、補助金の概要から申請のポイント及び成功事例まで経済産業省認定の当経営革新等支援機関が詳しく解説します。ぜひ最後までお読みいただき、あなたのビジネスに最大限のメリットをもたらしてください。

出典:持続化補助金の概要(433KB)(令和6年12月20日更新)

2025年版_持続化補助金とは?今年の変更点と概要

先ずは、2025年版小規模事業者持続化補助金募集の概要から見て行きましょう。

補助金の基本概要と目的

今年の「小規模事業者持続化補助金」は4つの類型から構成されています。一般型、創業型、共同・協業型、ビジネスコミュニティ型です。更に、一般型の中には4つの「枠」があります。通常枠、インボイス取る例、賃金引上げ特例、災害新枠です。これらの7つのコースに共通する、この補助金給付の目的は「販路開拓」であり、「商工会・商工会議所」と一緒に経営計画を作成し事業を進めてゆく事とされています。

出典:持続化補助金の概要(433KB)(令和6年12月20日更新)

2025年の新ルールや追加条件

一般型通常枠50万円

2025年版小規模事業者持続化補助金の補助上限と補助率は、一般型通常枠で50万円で補助率2/3、創業型では200万円で補助率2/3です。その趣旨は、例えば一般型通常枠であれば全体の事業資金75万円+消費税7.5万円=82.5万円です。

その場合の内訳は、補助金として後日還付される金額50万円+あなたの自己資金25万円+あなたが負担する消費税7.5万円です。よって、あなたの最終的な持ち出し金額は、25+7.5=32.5万円です。つまり、「この32.5万円の出費と50万円の1年間の建て替え金を合わせ、75万円(+消費税)相当の拡販対策をしませんか?」というのがこの補助金の基本的な趣旨です。

一般型通常枠と創業枠(出典:持続化補助金<通常枠>(635KB)(令和6年12月20日更新))

補助額上乗せオプション

追加条件としては、インボイス特例と賃金引上げ特例の2つのケースが用意されています。消費税免責事業者のうちインボイス発行事業者の登録を受けた事業者50万円の上乗せ措置があります。また、最低賃金引上げ特例の要件を満たす場合は150万円の上乗せがあります。そして、これら双方に該当する場合は合計200万円の上乗せとなり、通常枠の50万円と合わせて合計250万円の補助上限となります。

一般型通常枠と創業枠(出典:持続化補助金<通常枠>(635KB)(令和6年12月20日更新))

3年以内に創業・開業した人の特典

尚、ここで「創業型」に触れておきます。
産業競争力強化法に基づく「認定市区町村」または「認定市区町村」と連携した「認定連 携創業支援等事業者」が実施した「特定創業支援等事業による支援(※)」を受けた日 および開業日(設立年月日)が公募締切時から起算して過去3か年の間である」法人や個人事業主の方は、補助上限200万円で補助率2/3のコースを選択できる余地があります。と。 ただし、当該補助金の申請には、認定市区町村が発行した、特定創業支援等事業による支援 を受けたことの証明書の写しが必要になります。

この認定には、書類発行まで含めると1.5か月程度かかります。もしこの「創業型」200万円の申請を希望される方は、地元の商工会・商工会議所に「特定創業支援等事業の認定を受けたい」という相談を至急申し入れて下さい。

一般型通常枠と創業枠(出典:持続化補助金<創業型>(488KB)(令和6年12月20日更新))

2025年版_持続化補助金_誰が申請できるのか?対象者と条件

ここで、最初に確認して置きたい重要ポイントは、あなたは申請対象者に該当しているかどうかという点です。その要件は、次の3つです。

①小規模事業者である事
判断基準の一つは、中小企業・個人事業主の具体例(常時雇用従業=正社員+フルタイムパートタイマーの人数)です。対象となるのは次の人数以下の会社及び個人事業です。

  • 商業・サービス業(宿泊業、娯楽業を除く)の場合5人以下
  • 製造業又はそれ以外の業種の場合20人以下

 *法人役員は、従業員に含みません。

②事業計画を自ら策定すること
 初めての方は、ややハードルが高いかもしれませんが「商工会・商工会議所」に相談すれば指導して貰えます。ただし、1人当たりの平均対応時間も制限されており計画内容によっては困難かもしれません。その場合は、経済産業省認定経営革新等支援機関をご利用下さい。

事業計画書の作成

③商工会・商工会議所の支援を受ける事

これは、とくに次にご案内するつなぎ資金の融資相談の面で重要です。

マル敬融資の利用

実は以前にもご案内しましたが、補助金受給で最も留意したい点は自己資金と立替金がいつまで幾ら必要なのかと言いう点です。ここがクリアでないと、補助事業の規模を見誤ることになったり、そもそも不安が先行して補助金応募ができません。今年の募集の特徴として、このつなぎ融資対策が充実しました。最大限度月2,000万円までの範囲で、無担保・無保証で融資を受けれれる制度があります。詳しくは、「マル経融資」で商工会・商工会議所、または当経済産業省認定経営革新等支援機関にお問い合わせください。

一般型通常枠と創業枠(出典:持続化補助金<通常枠>(635KB)(令和6年12月20日更新))

2025年版_申請成功のためのステップバイステップガイド

必要な書類の事前準備

今年の特徴は、事業計画補作成の事前準備をする過程で、商工会議所又は商工会に事前相談する事がありす。そのエビデンスとして、指定の様式で確認書を入手する必要があります。

交付申請期間

審査が行われ採択決定通知が来た後「交付申請」をするまで事業を開始できない場合があります。(今後発表される公募要領を確認する必要があります。)
 

補助事業実施期間

  • 交付決定を受けたら補助事業を実施し、期限内に実績報告書を提出します。
  • 支出明細について確定検査が実施されOKが出た明細の合計で補助額が確定します。
  • その金額を口座登録によって請求すると、補助金(立替分)が入金します。

フォローアップ期間

事業化状況報告書を提出しなければなりません。期間は最低限1年の見込みです。

一般型通常枠と創業枠(出典:持続化補助金<通常枠>(635KB)(令和6年12月20日更新))

申請書作成のコツと注意点

応募時点で申請していない経費は基本的に認められません。従って、申請時に可能な限り明確にしておく必要がありますう。もし、申請時点で明らかでない経費があった場合には、交付申請・決定の段階で改めて「事業に様売る経費の詳細内訳」の提出を求められる事があります。

審査で評価されるポイント

2024年の実績では、審査の観点の項目に定義があり「Ⅰ基礎審査」「II計画審査」「III加点審査」の3つの審査で判定されていました。「III加点審査」は、2025年の他の各省庁の諸政策との関連で決まる為公募要領公開を待ってからご案内します。三個までに、その他の基礎審査と計画審査の概要につき振り返ってみます。

「Ⅰ基礎審査」の要件

基本要件審査で、以下の4項目を満たしていないと提案が失格となります。

  • ①必要な提出資料の提出
  • ②公募要領の補助対象者と補助上限の要件及び記載に合致している事
  • ③補助事業を遂行する為に必要な能力を有する事
  • ④小規模事業者が主体的に活動し、その技術ノウハウ等を基にした取り組みである事

「II計画審査」の要件

  • ①自社の経営状況分析の妥当性
     自社の経営状況を適切に把握し、自社の製品・サービスや自社の強みも適切に把握しているか。
  • ②経営方針・目標と今後のプランの適切性
    経営方針・目標と今後のプランは、自社の強みを踏まえているか。
    経営方針・目標と今後のプランは、対象とする市場(商圏)の特性を踏まえているか。
  • ③補助事業計画の有効性
    補助事業計画は具体的で、当該小規模事業者にとって実現可能性が高いものとなっているか。
    販路開拓を目指すものとして、補助事業計画は、経営計画の今後の方針・目標を達成するために必要かつ有効なものか。
    補助事業計画に小規模事業者ならではの創意工夫の特徴があるか。
    補助事業計画には、ITを有効に活用する取組が見られるか。
  • ④積算の透明・適切性
    補助事業計画に合致した事業実施に必要なものとなっているか。
    事業費の計上・積算が正確・明確で、真に必要な金額が計上されているか。

以上から、「経営方針・目標」「独自の技術ノウハウ・創意工夫」「ITの有効活用」「事業費の積算根拠の透明性」という観点が審査で評価される重点ポイントである事が解ります。

2025年版_持続化補助金_どのような経費が対象になるのか?

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補助対象経費の解説経費の具体例

下記に示した10項目の経費が対象になります。ここで留意した点は、昨年の場合ウエブサイトと関連費用は全体の1/4迄という制限がありました。この制限が、今年撤廃されるかどうかが公募要領の公開時注目される点です。

補助金活用例:販促、設備投資、ITツール導入

活用事例としは、パッケージデザインやリーフレット作成にこの補助金を活用した例や、看板を設置した事例が掲げられています。

ここから、そのコンセプトを読み取ると、補助上限金額の規模感の下で実施できる装置・IT整備・展示会出展・資料整備・賃料負担等の中で、この事業に特化した部分で「販路拡大」や「PR」につながる施策の全てが該当する可能性がある事が分かります。

一般型通常枠と創業枠(出典:持続化補助金<通常枠>(635KB)(令和6年12月20日更新))

補助対象外となる経費

昨年の公募では、下記の経費は補助対象外となって居ます。ご留意ください。

出典:小規模事業者持続化補助金<一般型> 第16回公募 公募要領 P-20 r3i_koubo_ver9.pdf

業種別過去の採択事例集

ここで過去の具体的な成功事例をテーマ別に見てみましょう。参照するサイトは、中小企業庁のミラサポPlusと云う「中小企業向け補助金・総合支援サイト」の中にある支援事業を探す(事例ナビ)の検索ページです。

出典:事例を探す(事例ナビ)|経済産業省 中小企業庁 ミラサポPlus

【販路開拓】①写真のレタッチサービスやストックフォトサービス等をウェブで展開(株式会社Kiraba)

平成21年に創業、28年に法人設立。写真撮影をはじめ、デザイン・ウェブ・印刷物などをトータルで提案している。小規模事業者持続化補助金の採択も3年連続で受けている。

出典:写真のレタッチサービスやストックフォトサービス等をウェブで展開- 事例を探す(事例ナビ)|経済産業省 中小企業庁 ミラサポPlus

【販路開拓】②シアタースペース新設による顧客満足度向上と宿泊及び地元の顧客の獲得(亀山温泉ホテル)

昭和30年に創業。千葉県房総半島の真ん中、奥座敷亀山湖畔にある15室の温泉旅 館。強みは24時間かけ流しにしている天然温泉。SNSを上手に活用し子連れファミリーの客層をうまく取り込んでいる。経営理念は「私たちが地域の顔となり、地域を私たちの力とする」。

出典:シアタースペース新設による顧客満足度向上と宿泊及び地元顧客の獲得- 事例を探す(事例ナビ)|経済産業省 中小企業庁 ミラサポPlus

【販路開拓】③移動出張修理サービスの周知徹底に向けた販促チラシとHPの製作(S-Gate)

平成21年理美容ハサミメーカーの鏡面研磨の下請事業を創業。平成26年よりS-Gate自社ブランドを立ち上げ、主に理美容ハサミの販売及び修理メンテナンス業を営む。

出典:移動出張修理サービスの周知徹底に向けた販促チラシとHPの制作- 事例を探す(事例ナビ)|経済産業省 中小企業庁 ミラサポPlus

【販路開拓】④顧客ニーズにきめ細かく対応して顧客満足度を向上させ、新たな客層も取り込んでいる企業(株式会社服地のサカモト)

宮崎県宮崎市の株式会社服地のサカモトは、1940年に創業した洋服の仕立てや服地の販売を行う企業である。裁縫離れから服地市場は縮小傾向にあり、売上げが15年前の8分の1となっていた。このような現状を打開するため、これまで培ってきた仕立ての技術をいかせる「3時間ソーイング教室」を2010年に開始。顧客のニーズにきめ細かく対応することで顧客満足度を向上させていった。

出典:顧客ニーズにきめ細かく対応して顧客満足度を向上させ、新たな客層も取り込んでいる企業- 事例を探す(事例ナビ)|経済産業省 中小企業庁 ミラサポPlus

【人材確保】

従業員が柔軟に働ける環境を整え、人材の確保・定着につなげた企業(株式会社梶野工務店)

島根県松江市の株式会社梶野工務店は、住宅のリフォーム工事を主に手掛ける企業である。同社は、従前から従業員に対し、地域の祭りや自治会の活動などの地域の行事への参加を推奨していた。このような背景から、出勤時間と退勤時間を柔軟に設定することを認めていたが、この勤務体系を制度として整備していなかった。そこで、従業員の誰もが使いやすい制度を作り、より働きやすい環境とするため、「時間単位の年次有給休暇制度」を導入することとした。制度の導入により、従業員の働きやすさが向上。人材の採用にもつながった。

出典:従業員が柔軟に働ける環境を整え、人材の確保・定着につなげた企業- 事例を探す(事例ナビ)|経済産業省 中小企業庁 ミラサポPlus

【起業・創業】

長年の趣味をいかした分野で創業し、事業を軌道に乗せている企業(クマタニトラスト)

岩手県普代村のクマタニトラストは、ハンドメイドルアーの製造・販売と釣り具メーカーの営業代行を行う企業である。同社代表の熊谷隆志氏は、釣り好きの父の影響もあり、小学生の頃からルアーフィッシングに没頭。幼少期からの趣味であった釣りを職業とするため、村役場を退職して自ら事業を立ち上げることを選択。商工会の支援を受けながら補助金を活用し、本格的なルアー製作のための工房を設置等、生産設備の拡充に成功した。

出典:長年の趣味をいかした分野で創業し、事業を軌道に乗せている企業- 事例を探す(事例ナビ)|経済産業省 中小企業庁 ミラサポPlus

事業承継

取引先から事業承継について指摘されたことをきっかけに、事業承継計画を策定し、承継を果たした企業(株式会社山尾工作所)

経営者の高齢化に伴い、主要取引先から早急に事業承継の計画書を提出し実行に移すよう強い要望があった。日頃の業務に追われる中、承継問題は先送りにしていたが、自身の年齢を考慮し、社長交代を決意。 稲美町商工会の専門家派遣制度などを活用し、事業承継計画に必要な自社の情報を整理し、5年間で事業承継を完了するための計画書をまとめた。 取引先からも「完成度の高い事業承継計画書」と評価を受けた。新社長は公的支援策を活用し販路拡大など新しい取組に挑戦、2020年3月期決算は売上げが前期比15%増を達成。
出典:取引先から事業承継について指摘されたことをきっかけに、事業承継計画を策定し、承継を果たした企業- 事例を探す(事例ナビ)|経済産業省 中小企業庁 ミラサポPlus

2025年版_持続化補助金のまとめ

事例集から、貴方の事業との類似性を見つける事が出来たでしょうか。この補助金は、フレキシブルでとても使い勝手の良い補助金です。特に、つなぎ融資の「マル経融資」が用意されていて、小規模事業であっても立替金の学が小さい分負担も減ります。

ただし、近年の採択率は低下気味です。通常、採択率が最も高いのは第一回公募です。しかし、公募要領公開から締め切りまでは短いのが悩みの種です。なお、公募が公開されるのは、2月~3月以降にずれ込むと予想されます。

是非、この記事を参考に75万円規模の販路開拓なら、今何ができるか?何がベストか?を考えて置いて下さい。また、創業3年以内で200万円の申請を希望される方は、地元の商工会・商工会議所に「特定創業支援等事業の認定を受けたい」というご相談もお忘れなく。 

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