最初にドローンを飛ばしたいと思った時、自分が訓練に使うべき機体を選定する必要があります。その場合、機種(特に機体重量)によっては規制が無いもしくは緩いことがあるのでしょうか。このページでは、スクールに行かずに飛行許可を取るための規制の概要と飛行技術の習得さらには飛行許可申請までのプロセスをシリーズで解説します。
はじめに
ドローンを飛ばすには、大きく分けて3つの分野の情報入手とスキルアップが必要です。1つ目は法令の知識、2つ目は飛行技術の習得、3つ目はそれらを踏まえ飛行許可要件を遵守した上での新規ビジネスの創造です。これらの点につき、詳細を紹介して行きます。このシリーズを読めば、ドローンスクールに行かずに自力で空撮ができるところまでたどり着けます。さあ、あなたも一緒にビジネス革命に向けて離陸しましょう。
規制の概要
ドローンの飛行について関連してくる規制には以下のものがあります。
- 航空法(2015年12月施行)航空法、
- ドローンの飛行の禁止に関する法律(2016年4月施行)小型無人機等飛行禁止法、
- 道路交通法 道路交通法
- 公園条例
- 河川法 河川法、海岸法、港則法
- 電波法 電波法、
- 民法 、民法(土地所有者)
- 個人情報保護法、
- 重要文化財保護法、
- 迷惑防止条例
- 各自治体が定める条例
まずは、これからドローンを購入して飛行技術を習得しようとしている人の必要最低限の情報を順を追って説明します。
飛行可能エリア
最初に、航空法で、飛行エリア・飛行高度・人家密集地周辺の規制がある事を把握しておきましょう。
- 1)空港周辺—-航空機の離発着を妨害してはいけません。
- 2)上空150m以上 —— 小型航空機やヘリコプターの飛行に影響を及ぼしてはいけません。
- 3)人家密集地域上空—-人が大勢居る所では墜落や接触で人体に危害を与えてはいけません。
規制区域(出店:国土交通省HP) https://www.mlit.go.jp/koku/koku_fr10_000041.html
規制飛行形態と承認項目
飛行形態についても、下記の6つの規制があり原則禁止となっています。
- 夜間飛行(日の入りから日の出まで)
- 目視外飛行
- 低空30m未満飛行
- イベント上空飛行
- 危険物輸送
- 物件落下
機体選定
では、これから購入するドローンの機種選定はどの様にすすめればよいのでしょうか?
上記Iの規制性のないエリヤ、つまり図の「A,B,C以外の空域」ならば機種に関わらず飛行訓練が可能です。具合的には、
- ①近くに空港が無い事、
- ②150m以上の上空を飛ばない事、
- ③民家の密集する地域の上空を飛行させない事、
の3条件を確保しなければなりません。
さらに、日没後の飛行をしてはいけない点と、木や建物などの障害物の反対側に迷い込み目視できない状況を引き起こさない様留意しなければなりません。
①の「近くに」の定義はあいまいです。地理院地図を使い、境界線に近く無いことを確認して置きましょう。東京23区内は、概ね屋外では無許可で飛ばせないと理解して置いた方が良いでしょう。
②の高さ設定は、ミニドローンでは自動制御機能は期待できません。初期訓練は、目の届く低空で飛ばしましょう。また、これらの順守は想定外の風が吹いたので。。。という言い訳は通用しません。したがって、相当の面積の私有地を保有されている場合は兎も角、最もおすすめなのは最初は小型ドローンで「室内」で所定の時間数に渡り訓練する事です。
機体の種類
所で、小型ドローンににはどんなものが有るのでしょうか?通販サイトを覗き、ミニドローンで検索すると各種の機種があります。
このうち、プロペラガードが付けられるもので低価格のものが良いでしょう。その理由は、初期の飛行訓練でリスクのあるものは周りのものを破損する事です。この点、大きな倉庫や体育館等の障害物が一切ない空間を借りることができれば不安はなくなります。しかし、ミニドローンはどこでも飛ばせてしまう為プロペラガードは必須です。次に、低価格が良い理由はいつか(または初期に)墜落することも念頭に置いての事です。最初から、数万円から数十万円のものを購入したりレンタルできれば良いですが、自分自身で機材を調達しスキルアップして行くならば修理ができなくなっても諦め切れる金額を決めて置きましょう。要は、飛行許可申請に必要な10時間の飛行訓練記録と実質的な基礎テクニックを培うまでの道具です。
さて機体選定です
これまで政府は、航空法の規制対象を200グラム以上としていました。しかしそれを今後は、100グラム以上にする方針です。小型でも飛行速度が速いドローンが手軽に入手できるようになり、危険性が増していることを踏まえた措置です。200グラム未満の機体もプロペラの回転や飛行速度が速く、屋外で安定して飛べるような高性能なタイプが家電量販店などでも手に入り、衝突すれば人にけがをさせたりものを壊したりする可能性が指摘されていました。その為、規制の対象を100グラム以上に引き下げることにしました。この規制は省令改正で今後実施される見込みですが、何時それが発行されるかは未だ分かりません。そこで、我々の選択肢は以下の2つあります。①100グラム未満のドローンを購入し用途を分けて使う。②200グラム以上のドローンを購入し、省令改正が行われたら飛行許可申請を出してそのまま利用する。
結論
私は、地理院地図で規制外区域にあることを確認した私有地150坪程度の無料訓練スペースを確保しました。ここで、屋外で使用することを目的とした機体重量に捕われない機種選定をしたいと思います。予算は、1万円程度で空撮もできるものが有るかこれから探します。次回をご期待下さい。